肺気腫 とは?原因は?治療法はあるの?
少し運動すると息切れがしてしまう、歩いただけでも呼吸困難
になるようなら肺気腫かも知れません。肺気腫は、咳や痰がら
みなどのよくある症状がゆっくりと進行していく病気で、早期
発見が難しいと言われています。
肺気腫とはどんな病気で原因は何なのか、また治療法について
も詳しくご紹介しますので参考にしてください。
肺気腫 とは?
肺気腫は、現在では慢性閉塞性肺疾患=COPDと呼ばれています
が、まだまだ肺気腫の方が知られているでしょう。慢性と名が
付くくらいですから急激に発症する病気ではなくて、何年も時
間をかけてゆっくりと進行していく病気です。
肺気腫は、慢性気管支炎と同様に、別名タバコ病とも呼ばれて
いる病気ですよ。百害あって一利なしと言われるタバコですが、
そのタバコによって起こる肺気腫は重篤な、死の危険もある病
気です。
肺気腫が進行すれば、最悪死に至るケースも珍しくありません。
日本人の死亡原因の上位となっていますよ。世界的に見ても肺
気腫の患者数は増えていると言われています。肺気腫の主な症
状は、息切れや息苦しさなどの呼吸の障害が見られます。
息を吸うときよりも吐く時の方に違和感があるのが特徴で、風
邪などを引いていないのに咳や痰が多く出ることも肺気腫の特
徴です。軽い運動をしたり階段の上り下りをしただけでも息切
れや息苦しさを感じるようになるのが肺気腫の主な症状です。
しかしこれらの症状は、健康な人でも中高年にもなれば誰でも
少なからず見られますね。中高年になると運動不足や太り過ぎ
などで、少し身体を動かしただけでも息切れすることはよくあ
ることですから、これらの症状だけで肺気腫を疑う人は少ない
ようです。
肺気腫はこれらの症状がゆっくりと進行していくために早期発
見が難しく、重症になってからでないと気がつきにくいことが
問題です。症状が進行するにつれて、呼吸の障害も悪化してい
きます。
常に息苦しさを感じる、胸がゼーゼーするなどの症状が慢性的
に続きます。呼吸不全や心不全を起こすこともあり、そうなれ
ば日常生活にも支障が出てきます。長期の入院が必要になるケ
ースも多いです。
肺気腫は高齢でやせ型の人に多いと言われており、病状が悪化
すればさらに痩せるケースも多いです。
肺気腫 原因?
肺気腫は、先ほども紹介したように別名タバコ病とも呼ばれて
います。肺気腫の原因は、今のところはっきりと解明されてい
るわけではないのですが、主な原因は喫煙と考えられています
よ。
タバコの煙などの有害物質を長期にわたって吸入することで生
じる肺の炎症性疾患であると、慢性閉塞性肺疾患のガイドライ
ンには記載されています。つまり肺気腫は、長期間にわたる喫
煙で肺が炎症を起こし肺の組織が破壊されてしまう病気です。
タバコ以外にも大気汚染などで有害物質を吸い込むことがあり
ますが、喫煙以上に肺に負担をかけている有害物質はないでし
ょう。ですから肺気腫は、喫煙による病気であると考えて間違
いないでしょう。
ヘビースモーカーの人は肺気腫のリスクも上がりますから注意
が必要です。しかしヘビースモーカーの人が、喫煙者全員が肺
気腫になるわけではありません。実は喫煙者の2割ほどしか肺
気腫にならないと言われています。
喫煙と同時に、遺伝子的な要素も関係して肺気腫を発症してい
るのではないかと考えられています。ただ、そうかといって安
心してタバコを吸って良いわけではありません。
肺気腫の患者のおよそ9割は、喫煙者であるか、過去に喫煙の
経験があることも分かっています。喫煙と同時に、排気ガスや
PM2.5などの生活環境下での大気汚染も注意した方が良いでし
ょう。
タバコの煙や大気汚染などが原因で、気管や気管支に少しずつ
ダメージが加わります。症状は少しずつ進行して肺の細胞が徐
々に破壊されていき、呼吸機能に障害が起こるのが肺気腫です。
副流煙にも注意が必要ですね。
タバコを吸っていなくてもタバコから出る煙、副流煙を吸い込
んだ人も、喫煙者本人と同様のダメージが肺に加わってしまい
ます。タバコを吸う人は本数を控えると同時に思っている以上
に周囲の人の健康を害していることを知り、迷惑を掛けないよ
うにしましょう。
肺気腫 治療法はあるの?
肺気腫が怖いのは、例えタバコを止めたとしても治らない病気
であるということです。今の医学でも、一度傷ついてしまった
肺の細胞を元の状態に戻すことはできないのですね。肺気腫は、
禁煙しても老化により少しずつですが進行していきます。
ですから50歳くらいで禁煙したとしても、70歳80歳になった時
に同年代の人と同じように健康な身体を保つことが出来ないと
いうことです。病院での治療は、これ以上悪化させないためと
今現れている症状を軽くするために行われます。
肺気腫の治療では、一時的に気道の閉塞を広げるための治療薬
が用いられます。あくまでも対処療法でしか出来ないのが現状
です。肺気腫と診断されたらまずは一番に禁煙が言い渡されま
す。
禁煙が最大の治療法とされていますが、なかなか止められない
のも事実でしょう。そのような人には禁煙外来なども用意され
ていますよ。肺気腫は、長年の喫煙が主な原因で起こります。
まとめ
一度ダメージを負った肺は二度と元には戻らない、完治のない
肺気腫ですから若い頃から注意しておきましょう。