紫斑病の原因?症状はどんなの?
紫斑病(しはんびょう)という病気はあまり知られていません
が、紫斑とはあざのことで、どこかにぶつかったりしていない
はずなのにあざが出来てしまう病気です。
紫斑病は子供に多い病気で、遊んでいてあざを作ったのだろう
と思っていたら実は紫斑病だったというケースもあります。
紫斑病 原因?
紫斑、つまりあざを主な症状とした病気のことを紫斑病と言い
ます。あざというのは、何かしらの原因で皮膚や粘膜に血液が
漏れる内出血を起こした状態で、これが紫色のあざとなって見
えるのですね。
何かしらの原因で、この内出血が起こりやすくなる、つまり紫
斑が出来やすくなる病気のことを紫斑病と言います。
紫斑病には大きく分けて2つの種類がありますよ。
血小板非減少性紫斑病と血小板減少性紫斑病です。
血小板非減少性紫斑病の中には、アレルギー性紫斑病と単純性
紫斑病、さらに老人性紫斑病があります。こちらのタイプでは
血小板は正常値です。血小板が平均より少ないのが血小板減少
性紫斑病で、こちらのタイプには特発性血小板減少性紫斑病と
血栓性血小板減少性紫斑病があります。
このようにいくつかの種類がある紫斑病ですが、それぞれに起
こる原因が異なります。最も多く見られるのがアレルギー性紫
斑病で、一般的に紫斑病と言うときにはこれを指すケースがほ
とんどですね。
2歳から10歳くらいの子供、中でも男の子に多く見られるのが
アレルギー性紫斑病です。その名の通り、アレルギーが原因で
起こります。免疫の異常によるアレルギー反応により全身の毛
細血管に炎症が起こります。
溶連菌や風疹、麻疹、マイコプラズマなどの細菌やウイルスへ
の感染がきっかけとなっていると思われています。毛細血管に
炎症が起こるので血管がもろくなりあざが出来やすくなるので
す。単純性紫斑病は、若い女性に多く見られますよ。
原因ははっきり特定されていませんが、もともと毛細血管が弱
いことが原因になっているのではないかと言われています。老
人性紫斑病はその名の通り高齢者に多く見られる紫斑病で、毛
細血管の老化が原因となっています。
年齢とともに真皮層にあるコラーゲンや脂肪組織が減少してい
きますが、これらは毛細血管を保護する働きがあります。それ
が減少するので毛細血管がもろくなり、ちょっとどこかにぶつ
けただけでも内出血が起こり、あざが出来るのですね。
特発性血小板減少性紫斑病は、はっきりとした原因が解明され
ていませんが、何かしらの原因で免疫が異常をきたすことが関
係していると見られています。免疫機能が異常を起こし、本来
問題のない自分の血小板を攻撃する抗体が作られるのです。
紫斑病 症状?
紫斑病には、このようにさまざまな種類があり、それぞれに起
こる原因が違います。また症状もそれぞれの種類により紫斑以
外のさまざまな症状が起こりますよ。小さな男の子に起こりや
すいアレルギー性紫斑病は、紫斑の他に腹痛や関節痛なども起
こります。
少し盛り上がりのある紫斑が出来ます。顔や身体ではなくて、
手足の先や関節近くの皮膚に紫斑が出来るのも特徴です。
また、合併症として紫斑病腎炎が起こるケースもあります。
若い女性に多い単純性紫斑病は、主にひざや足首、お尻などに
点状の紫斑がたくさん見られますよ。紫斑以外の症状は特にあ
りません。しかし、場合によっては色素がそのまま沈着して跡
が残るケースもあるので要注意ですね。
高齢者に多く見られる老人性紫斑病は、足や足の甲、腕や手の
甲など、物にぶつかりやすい部分に紫斑が出来ます。紫斑が出
来ると色素が沈着してシミとなることも多いです。何か病気が
原因ではなく、老化現象によって起こる紫斑なのでそれほど心
配する必要はありません。
免疫機能の異常で起こる特発性血小板減少性紫斑病は、紫斑の
他に、歯茎からの出血や鼻血、血尿などの症状が見られます。
紫斑病 治療?
紫斑病の治療法は、それぞれの原因により異なります。ただ、
原因がはっきりしていない紫斑病も多く、紫斑病そのものの特
効薬もありません。病院では、それぞれの症状に合わせた治療
が行われていますよ。
アレルギー性紫斑病の場合には、発症の原因となった溶連菌な
どの感染症の治療がまず行われます。抗生物質などが処方され
ます。関節痛などの痛みに対しては湿布などが処方され、腹痛
が酷い時には入院が必要になるケースもありますよ。
風邪などの後に紫斑の症状が見られた場合には、特発性血小板
減少性紫斑病が疑われます。末梢血液検査が行われます。血小
板数が減少してれば骨髄検査も行われます。止血が困難なほど
血小板の数が減少していれば、止血できるように免疫グロブリ
ンやステロイド薬などが投与されます。
単純性紫斑病や老人性紫斑病の場合には、特に治療は必要では
ありません。安静にすることが大切で、症状によっては血管を
強化するためにビタミンCのお薬が処方されることもありますよ。
まとめ
子供に多く見られるアレルギー性紫斑病は、手足の末端や関節
などに現れるので注意して見てあげて下さいね。特にどこかに
ぶつけてしまったわけでもないのにあざが出来るようなら紫斑
病を疑ってみて下さい。