血友病とは?血友病の症状ってどんなの?

公開日:  最終更新日:2018/03/07

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あまり耳馴染みのない血友病という病気ですが、これは代表的
な遺伝疾患の一つです。なにか難しい印象のある血友病ですが、
どのような病気なのか知っておきましょう。

血友病とはどのような病気でどのような症状が現れるのかなど
を詳しくご紹介しますね。




血友病とは?

血友病とは、血液が止まりにくい病気のことです。血液を固め
るためのたんぱく質である血液凝固因子というものがあるので
すが、これが生まれつき少ない人がいます。血液が固まりにく
いので、出血した場合に血が止まりにくくなるのです。


血友病は代表的な遺伝疾患で、70%が遺伝によるものだと言わ
れています。残りの30%は、突然変異で発症すると言われてい
ます。また、男性に多いのも特徴です。血友病を発症するのは
ほとんどが男性で、1万人に0.8人から1人の割合で発症すると
言われていますよ。

女性でも発症することはありますが、血友病患者全体の1%と
未満ととても少ないです。出血とは、血管が破れそこから血液
が流れ出ている状態ですね。出血は血管という堤防が、何かし
らの原因で破壊されて血液が流れ出し洪水を起こした状態です。

これを止めるために働くのが血小板と血液凝固因子です。堤防
が破壊されたところにブロックの役割をして、流れ出る血液を
減らす働きを行っているのが血小板です。しかし、このブロッ
クだけではその隙間から血液がにじみ出てしまったり、圧によ
りブロック自体が崩れることもあります。

そのようなブロックのすき間を埋めて強固する、セメントとし
ての働きがあるのが血液凝固因子です。ブロックの役割がある
血小板と、そのすき間を埋めるセメントの役割がある血液凝固
因子が揃っていることで、血液をしっかりと止めることができ
るのです。

血友病は、セメントの役割を担う血液凝固因子がもともと体質
的に少ない病気です。そのためにさまざまな困った症状が起こ
るのです。血液凝固因子は正常なものの、後天的に血液凝固因
子への自己抗体が作られて血液凝固が機能しなくなる後天性血
友病もあります。

発症率は100万人に1人ほどと非常に稀な病気で、どうして発症
するのか原因は解明されていません。ただ関節リウマチなどの
自己免疫疾患の患者、皮膚疾患の患者、抗生物質などの薬剤投
与後の方の発症が報告されています。




血友病 症状?

血友病は、血液凝固因子が少ない病気なのでさまざまな出血症
状が起こります。出血した際に血が止まりにくく固まりにくい
病気なので、小さな傷や打撲でも大出血につながる恐れがあり
ますよ。ちょっとした出血でも命の危険にさらされることもあ
ります。

血友病の場合、身体の外への目に見える出血よりも身体の内側
で起こる目に見えない出血が多いことが特徴です。関節や筋肉
の内部など、身体の深部での出血も多く見られます。後天性血
友病の場合でも出血が主な症状となります。

特に出血しやすい部位は、皮膚の下や肩や肘、太ももや足首な
どの関節内、歯茎や鼻の中、ふくらはぎなどの筋肉内や頭蓋内
です。何かに強くぶつかったりすれば誰でも内出血やあざがで
きますが、血友病患者の場合はそのような強い衝撃を受けなく
ても広範囲にあざや腫れが現れます。

手足の広範囲に赤黒い腫れやあざが見られたリ血尿が出るなど
さまざまな症状が現れます。筋肉内や関節内などの止血しにく
い部分は特に注意が必要で、頭蓋骨内出血は特に命の危険も出
てきます。

年齢により出血症状も現れやすい時期がありますが、生後すぐ
の新生児期には頭蓋骨内出血が多い傾向があります。乳児期に
なると皮下出血が比較的多く見られるようです。乳児期にはま
だあまり運動量は多くないので出血の頻度も少ないものの、成
長するにつれて出血も多くなります。

立って歩けるようになると転倒や頭をぶつけることも増えるの
で、頭蓋骨内出血や外傷による出血、関節内の出血も増えてい
きます。また子供はもともと鼻血を出すことが多いですが血友
病の子供も鼻血が多く、乳歯が生える際には歯肉からの出血も
見られます。


血友病 治療はどうすればいい?

血友病の治療では、薬剤による治療が主に行われます。血液凝
固因子を含んでいる血液因子製剤を投与して、足りていない血
液凝固因子を補っていくのです。これにより出血の予防と、出
血した際の止血が可能になります。

具体的には、定期補充療法や予備的補充療法、出血時補充療法
があります。定期的に血液凝固因子を補充する治療が定期補充
療法で、これが血友病治療の基本となりますよ。週に2回から3
回程度、点滴により血液凝固因子を補充して出血を予防してい
きます。

病院での点滴以外に、家庭でも自己注射で補充できます。体育
の授業などのスポーツ時や旅行などのイベント時の前に行われ
るのが予備的補充療法です。出血のリスクが高い時に事前に点
滴により血液凝固因子を補充して、出血リスクを予防します。

現在では定期補充療法が一般的ですが、それまでは出血時補給
療法が一般的でした。出血した時に凝固因子製剤を投与して止
血する治療です。血友病はひと昔前、不治の病とも言われてい
たのですが、医療の進歩によって患者の寿命も伸びています。


まとめ

定期補充療法や自己注射も行われるようになり、一般の人と変
わらない生活が可能になっています。

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