網膜剥離の原因?症状は?
網膜剥離(もうまくはくり)は、さまざまなことが原因で起こ
る目の病気で、誰にでも起こる可能性があります。失明の危
険もあるのですが、原因はいったい何なのでしょう。
網膜剥離で起こる症状や治療法についても詳しくご紹介しま
すので参考にして下さいね。
網膜剥離 原因?
網膜とは物を見るために必要不可欠な神経の膜で、これが何
かしらの原因で剥がれてしまう病気が網膜剥離です。物が見
える仕組みはカメラに例えることができますよ。角膜や水晶
体はレンズ、網膜はフィルムに例えるこることができます。
目から入る光は角膜や水晶体で屈折され、網膜に伝えられま
す。網膜から光が電気信号として脳へ伝えられ、それで私た
ちは物を見ることが出来ているのですね。
カメラのフィルムがなければ記録できないように、目も網膜
がなければ光の情報が脳へと伝えられず物を見ることが出来
なくなります。物を認識するために欠かせない神経の膜であ
る網膜は、光を伝える神経網膜とその土台となっている網膜
色素上皮の2層になっています。
この2層は通常ぴったりとくっついているのですが、さまざま
な原因で剥がれてしまうことがありこれを網膜剥離と呼んで
いますよ。網膜剥離の原因は、網膜に孔が開いたり裂け目が
出来ることです。
このような状態になる原因は、大きく3つの原因に分けること
ができます。まず挙げられるのが老化です。50歳くらいからゲ
ル状だった硝子体が、老化によってサラサラとした液状になっ
てきます。
そのため硝子体液が縮むのですが、それ自体は特に問題はあり
ません。ただこの時に硝子体液と網膜の間に癒着したところが
あったり、網膜が弱っているところがあれば問題です。そこが
引っ張られてしまい、裂けたり孔が開いてしまいます。
この裂け目や穴から硝子体液が流れ込み、少しずつ網膜を剥が
していくのです。若い人でも強い近視の人は網膜剥離になりや
すいので要注意です。強度の近視の人は、眼球がとても大きく
ラグビーボールみたいに奥に伸びた状態になっています。
網膜が引き延ばされて薄くなっているので、ちょっとした衝撃
でも網膜に孔が開いて網膜剥離が起きやすいのです。網膜剥離
は、眼球への強い衝撃によっても起こりますよ。
ボクシング選手などが試合で目を殴られて網膜剥離になり、選
手生命を絶たれることもありますね。強く殴られたり、ボール
が眼球にぶつかったりなどの強い衝撃が加わることで網膜が剥
がれてしまいます。
網膜剥離 症状?
網膜に孔が開いたり、裂け目が出来る網膜剥離になるとさまざ
まな症状が起こります。網膜剥離が起こっても痛みなどは感じ
ませんが、大きく4つの症状が起こりますよ。まず初期症状で多
いのは、蚊のような黒い虫が飛んでいるように見える飛蚊症と
いう症状です。
目の前を虫や糸くずのようなものがふわふわと飛んで見える症
状で、明るいところや白い壁などを見た時に良く見られます。
一瞬ぴかっと光が走るように見えたり、チカチカとした光が見
えることもあります。
これは光視症と言われる症状で、網膜が硝子体に引っぱられる
時の刺激がぴかっとした光として感じられるのです。この光視
症の症状があれば網膜が引っ張られているサインで、網膜に孔
が開いてしまう危険がありますからすぐに病院で診てもらいま
しょう。
網膜に孔が開くと出血することもあります。出血が起こると硝
子体に出血が広がりますから、目の前にモヤがかかったような
症状が起こります。ススのようなものが見え、目がかすむ症状
が起こるので視力も低下していきます。
網膜剥離の症状が進行すれば、視野が欠けるといった症状も起
こります。網膜剥離になるとさまざまな違和感や異常が目に起
こります。一度、剥がれてしまった網膜には栄養が行き届かな
くなり、症状も悪化するばかりです。
網膜は再生することが出来ないので、早期発見と早期治療がと
ても大切です。どのような症状があるのかを知っておけば早期
発見につながりますね。
網膜剥離 治療?
網膜剥離の治療は症状の進行具合によって治療法が異なってき
ますよ。また、網膜剥離の起こっている場所によっても治療法
は異なります。網膜剥離が起こっているのが網膜の中心から離
れた場所で、さらに進行が止まっているケースでは緊急性は低
いですね。
反対に、網膜の中心に近い部分で網膜剥離が起こっていたリ、
症状の進行が予想されるケースでは緊急性が高いですから早急
な治療が必要になりますよ。網膜に少し孔が開いている初期段
階であれば、レーザー治療が行われます。
網膜光凝固術や網膜冷凍凝固術と言われるレーザー治療です。
症状が進行すれば眼球の中に器具を挿入する手術も必要になり
ますが、レーザー治療であれば眼球へのダメージも軽く済みます。
また、術後の回復も早く日帰りでの治療が出来るのもメリット
ですね。網膜剥離の症状が進行していれば、硝子体手術や網膜
復位術、経強膜バックリング法と言われる手術が行われます。
硝子体手術は、症状が最も進行している時に行われる手術ですよ。
まずゼリー状の硝子体を取り除き、孔の開いたところをレーザ
ーで治療してます。そして剥離した網膜を張り付けてから、眼
球内にシリコンオイルなどを注入してきます。
術後も網膜が安定するまでに時間がかかるので、2週間程度の入
院が必要になる負担の大きな手術となります。網膜剥離は老化
現象や強い近眼、眼球への強い衝撃などが原因で起こります。
まとめ
初期段階で気づき正しい治療を受ければ回復も早いですから、
目への違和感を感じたらすぐに病院で診てもらいましょう。