虫垂炎の原因?虫垂炎は手術した方がいいの?
急激な腹痛が起こることで有名な盲腸ですが、正式には虫垂炎
と言います。15人に1人がかかると言われている虫垂炎ですか
ら、周りにも虫垂炎にかかったという人がいらっしゃるでしょう。
他人事ではない虫垂炎ですが、どうして虫垂炎になるのかその
原因と手術のことや手術後の経過についてご紹介します。
虫垂炎 原因?
大腸の入り口にある小さな尻尾のような形状をした臓器が虫垂
です。この虫垂が何かしらの原因で炎症を起こすのが虫垂炎で
す。とても身近な虫垂炎ですが、どうして発症するのかその原
因についてはいまだにはっきりと解明されていません。
しかし、虫垂炎の原因と考えられるものはいくつかありますよ。
まず、細菌やウイルス感染です。大腸菌などの細菌やウイルス
が虫垂に侵入して炎症を起こしてしまうのです。これらの細菌
やウイルスは、本来であれば身体の免疫作用によって撃退する
ことができます。
しかし、体調不良など免疫力が低下していると細菌やウイルス
に感染しやすくなり、虫垂炎を引き起こしてしまうのですね。
ストレスも虫垂炎の原因ではないかとよく言われていますね。
過度のストレスを受けると交感神経が緊張した状態が続きます。
そうすると殺菌作用がある白血球の一種である好中球が増えて
いきます。この好中球は、体内に侵入する細菌などの異物を、
その優れた殺菌作用で殺してくれます。健康な身体を保つため
の大切な役割を担っている好中球ですが、増えすぎると問題が
起こります。
増えすぎた好中球は、体内で大量の活性酸素を排出させてしま
うようになるのです。活性酸素は異物ではない身体の組織にダ
メージを与える働きがありますから、これが虫垂炎の原因にな
るのではないかと言われてるのですね。
ストレスによって好中球が増加して大量の活性酸素が生成され
れば、虫垂炎だけでなく他の病気を発症するリスクも高まりま
すね。蓄積されたストレスが、さまざまな病気の原因となって
しまうのはこのような理由があったのですね。
便秘も虫垂炎の原因になると言われていますよ。便秘が長く続
けば、ガスや宿便で虫垂が圧迫されるようになり炎症を起こし
てしまうのです。特に女性は便秘によって虫垂炎を起こしやす
いですから注意が必要です。
風邪や胃腸炎が悪化して、虫垂炎を起こすケースもあると言わ
れています。このように虫垂炎の原因は実にさまざまな説があ
るのですが、普段の生活習慣や食生活と深い関係があると考え
られていますよ。
虫垂炎 手術?
虫垂は右下の腹部にあるので、虫垂炎になったらこの部分が痛
くなります。発熱や食欲不振、さらに37度くらいの微熱といっ
た初期症状が現れますよ。時間の経過によって腹部の痛みも増
してきます。
右下の腹部の痛みがいつまでも続くようなら虫垂炎の可能性が
高いので、すぐに医療機関で検査してもらいましょう。早めに
治療するほど回復も早いです。虫垂炎をそのまま放置しておい
ても治ることはなく、症状はどんどん悪化してき命の危険も出
てきますよ。
虫垂炎の治療では、虫垂の切除と投薬療法があります。ひと昔
前なら、虫垂炎になれば手術をして虫垂を切除するのが一般的
でした。しかし最近では、軽症の場合には虫垂をそのまま温存
しておく薬物療法もあります。
虫垂の炎症が強くて腹膜炎を併発している場合や、虫垂自体が
穿孔(せんこう)と言われる孔が開いた状態になっている場合
には手術が必要になります。虫垂を切除するための手術には、
腹腔鏡手術と開腹手術があります。
腹腔鏡手術とは、お腹に小さ穴を開けそこから内視鏡を挿入し
て画像を確認しながら虫垂を取り除く方法です。切除する穴が
小さいことや傷が残りにくいこと、術後の痛みが軽くなること
が腹腔鏡手術のメリットですよ。
開腹手術はその名の通り、腹部を切開して虫垂を取り除く方法
で、数センチほど腹部を切開することになります。傷跡が残り
やすい手術方法ですが、膿が広がっていた場合などに融通が利
くというメリットがあります。
切除手術の必要がないと医師が判断すれば、抗生物質での薬物
療法が行われます。抗生物質による点滴を行って炎症を抑えて
いくのです。ただこの場合、原因となっている虫垂が残ってい
るので再発の可能性がありますね。
虫垂炎 手術後?
最近では術後の経過を良好にするために、腹腔鏡手術が主流と
なっていますね。手術後の状態にもよりますが、腹腔鏡手術の
場合には入院期間が1週間程度となります。開腹手術の場合に
は、入院期間が2週間近くなることもあります。
また腹膜炎などを併発している場合にも、入院期間が長くなる
ケースがありますよ。抗生剤投与による薬物療法でも1週間程
度の入院が必要になります。いずれにしても手術や治療後には、
安静に過ごすことが大切です。
腸が正常に機能するまでは、入院して安静に過ごして回復を待
つことになります。血液検査などを行って炎症反応の改善が見
られれば無事に退院できますよ。右下のお腹の痛みが続くよう
なら虫垂炎かも知れないので、早めに病院で診てもらいましょう。
まとめ
初期段階であれば薬物療法が行われますが、腹腔鏡手術でも1
週間程度の入院で退院できますよ。