神道 墓参りの作法は?時期は?
日本人は仏教徒が多いというイメージを持っている方も多いと思います
が、実は文化庁が行った調査では仏教系が46%で神道系が48%と神道の
方の方が多いのです。
ですから神道のお墓参りや作法や時期などについても知っておくと安心
です。
神道 墓参りの作法は?
神道でも仏教でもお墓の見た目などは大きな違いはありませんが、お墓
の呼び方が違います。
仏教ではお墓と呼んでいますが、神道ではお墓のことを奥津城や奥都城
(おくつき)と呼んでいます。
知らなかったという人も多いのではないでしょうか。
ですからお墓の表記も違います。
仏教では、○○家之墓という表記ですが神道では○○家奥津城という表
記になっていますよ。
お墓の表記も違いますが、お墓参りの際の作法やお供え物などにもかな
り違いがあります。
仏教のお墓参りでは当たり前のことも神道ではマナー違反になることも
あるので、神道と仏教のお墓参りの違いについて理解しておきましょう。
まず、お墓にお供えするものが違います。
仏教のお墓参りでは必ず華やかなお花をお供えしますが、神道では違い
ます。
仏教では仏花と言われる3色から5色ほどの華やかな生花をお墓に供えし
ますが、神道ではお花ではなくて榊(さかき)をお墓にお供えしますよ。
榊は神社で祀られたり、家庭の神棚にもお供えされるツバキ科の植物で
すね。
これは日本神話に出てくる神様のいる場所に榊を立てたという古事が元
になっているそうです。
神道でのお墓参りでもこの榊をお供えするのですが、最近では榊だけで
なく色のついていない花をお供えすることもあるようです。
白い菊や、あるいは故人が好きだった花があればそれも榊と一緒にお供
えする人もいます。
もう一つ、仏教のお墓参りと大きく違うのが、お線香をお供えしないと
いうことです。
ロウソクに火をつけるまでは同じですが、お線香は付けません。
神道では、榊の枝に紙垂を麻で貼り付けた玉串と言われるものをお供え
します。
仏教での焼香にあたるのが、この玉串なのですね。
玉串をお墓にお供えすることが神様への奉納となり、同時に故人をしの
ぶ真心を示すものとなります。
また仏教のお墓参りでは、お菓子や果物など故人の好物だった食べ物を
お供えしますが、これも神道では違いますよ。
通常の神事でお供えするものと同じ、水と塩、洗米、お神酒という神饌
(しんせん)をお墓にもお供えします。
神饌をお供えするのが神道の基本ですが、故人が好きだったお饅頭など
を一緒にお供えしても特に問題はありません。
このように神道と仏教のお墓参りではお供え物に大きな違いがあるので
すが、お墓参りの仕方にも大きな違いがあるので覚えておきましょう。
仏教でのお墓参りでは、お線香をお供えしてから手を合わせてご先祖さ
まを供養しますが、神道では神社でお参りするのと同じで二礼二拍手一
礼が基本です。
お墓の前で2回深くお辞儀をしてから2回パンパンと手をたたき、そして
1回お辞儀をします。
ただし、故人がなくなってから五十日祭までは拍手はしないで、音をさ
せないしのび手でするという決まりがあります。
葬儀の時には手と手を合わせて音をさせない拍手をするのがマナーです。
神道でのお墓参りの流れを簡単にまとめてみますね。
まず、お墓やその周りをキレイにお掃除しましょう。
これは仏教でも同じですね。
掃除が終わったらロウソクに火を灯して、花立てに榊をお供えします。
神具に水や塩、洗米やお神酒をお供えして、二礼二拍手一礼で合掌礼拝
します。
仏教のお墓参りと流れは大きく違いませんが、お供えものや作法が違う
ので覚えておきましょう。
神道 墓参りの時期は?
神道と仏教では、お供え物やお参りの作法に違いがあることを紹介しま
したが、お墓詣りの時期は同じです。
神道でも仏教と同じように、祥月命日(しょうつきいめいにち)と式年
祭(しきねんさい)にお墓詣りをするのが一般的です。
祥月命日とは毎月巡ってくる命日のことで、式年祭とは仏教でいう年忌
法要のことです。
間隔も仏教の年忌法要と同じで、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭、三
十年祭の間隔で行われます。
仏教では、お盆の時期にも家族でお墓参りをしますが、神道にもお盆が
あります。
仏教では初盆や新盆と呼ばれますが、神道では新盆祭や新御霊祭と呼ば
れていて同じようにお墓参りをしますよ。
また、月命日にお墓参りをしたり、神社には月初めの1日にお朔日参り
(おついたちまいり)というのがあるので、毎月1日にお墓参りをする
人もいます。
お墓参りの時間帯としては、神道、仏教関係なく、基本的に午前中に行
くのが良いと言われていますよ。
まずは何よりお墓参りの時間を優先させるべきという考えから、午前中
にお墓参りに行くのが良いとされています。
また日が暗くなる夕方以降にお墓参りをすれば、化け物や妖怪などが出
てくるとも言われています。
まとめ
お墓詣りは出来るだけ午前中か日が明るいうちに行くのが良いでしょう。
仏教のお墓参りの仕方しか知らなかったという人も多いのではないでし
ょか。
しかし日本には神道の方も多く、いろんなご縁で神道のお墓参りをする
こともあるでしょうから覚えておいて下さいね。